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 黄斑円孔はその進行度によって4つのステージに分類されます。今回はその分類と実際のOTCの画像をご紹介します。
ステージ1(図1)
 目の中は硝子体というゼリー状の物質で満たされています。若いときには硝子体が充満していますが、年齢とともに硝子体がしぼんでいきます。そのときに網膜との接着が強い部分が引っ張られます。網膜と硝子体の接着の強い部分は、網膜周辺部、視神経乳頭部、網膜中心部(黄斑部)などです。通常は後部硝子体剥離といって硝子体と黄斑部がはがれるのですが、硝子体と黄斑部との接着が特に強固な場合は黄斑部が持続的に引っ張られます。その結果、本来は少し凹んでいる中心窩(黄斑部の中心)が浮き上がってきてしまうと黄斑円孔のステージ1と呼ばれる状態になります。浮き上がった網膜の中には袋状の嚢胞(のうほう)が形成されます。まだ網膜には穴はあいていません。網膜が引っ張られているため嚢胞の周囲の網膜には浮腫が生じて、OTC画像でみると網膜の内部が黒く抜けたように見えます。この時期の症状としては、視力が0.4〜0.6程度に下がり、視野のまん中が少しゆがんで見えることもあります。
【図1:ステージ1】
ステージ2
 網膜が引っ張られた状態が続くと、網膜の中の嚢胞がさらに大きくなり、嚢胞の縁の一部が破れて弁のようになり、網膜が剥がれかかった状態となります。この時期を黄斑円孔ステージ2と呼びます。
ステージ3(図2)
 嚢胞上部の弁のようになっていた部分が完全に分離して嚢胞の「ふた」のようになり、黄斑円孔が完成した状態です。OCT画像でみると黄斑円孔のすぐ上に「ふた」が浮いているように見えます。黄斑円孔周囲の網膜には浮腫が残っています。この時期、視力はさらに下がり0.1前後になります。
【図2:ステージ3】
ステージ4
 さらに時間が経過すると硝子体にくっついていた「ふた」の部分が眼球の前方に移動してわからなくなってしまいます。後部硝子体剥離が完成して網膜を引っ張る力がなくなるため、黄斑円孔周囲の網膜の浮腫もなくなっていきます。
黄斑円孔の手術の時期
 黄斑円孔のステージ1では、まれに後部硝子体剥離が生じて自然治癒することもあるといわれていますので、手術をせずに経過観察となることもあります。ステージ2以降では自然治癒は難しいので、発見しだい硝子体手術をお勧めしています。これまで黄斑円孔ステージ1はなかなか診断が難しかったのですが、OCTが登場して一目瞭然となりました。図1の患者さんもすぐに専門施設へご紹介して、硝子体手術を受けていただきました。OCT画像で見ると、網膜の嚢胞や浮腫も消失し、中心が少し凹んでほぼ正常な網膜の形状に戻っています(図3)。今では視力1.0まで回復され、中心視野のゆがみを自覚されることもないそうです。
【図3】
 黄斑円孔は的確な診断をして迅速に硝子体手術をすれば良くなる可能性の高い疾患です。もし視野の中心の見え方に異常を感じられたら、すぐに眼科を受診されることをお勧めいたします。
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2011年11月1日掲載 
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