OCTとは、眼科領域の新しい検査で、目の奥の網膜の様子を断層的に見ることができます。これまでの眼底検査では網膜を平面的にしか観察できず、網膜のわずかな浮腫などの診察はかなり難しいものでした。このOCTを使うと網膜の形態的な異常がはっきりとわかるようになったのです。
日本ではOCTが発売されたのは1997年で、最初は網膜の厚みがわかるだけでもすごいなと思っていましたが、年々改良が加えられて、最近では網膜の層まで見分けられるようになってきました。 |
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このOCT画像は私の目のものです。左右の眼底写真の隣にOCT画像が上下に並んでいます。2枚並んでいるうちの上のほうは網膜を水平方向に切って見た断面画像、下のほうは垂直方向の断面画像です。緑、青、黄、赤のラインがきれいに層状になっているのがわかると思います。まんなかあたりの少し層が薄くなって凹んでいるところが網膜の中心である中心窩です。網膜や脈絡膜の疾患になってしまうとこのきれいな層状の構造に乱れが生じたり、中心窩の凹みがなくなってしまったりします。 |
OCTは眼科の診療スタイルを変えてしまうような画期的な検査です。このような医療の進歩をみなさんに還元できるように当院でもOCTの導入を検討しています。 |
2010年10月1日掲載 |
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【関連コンテンンツ】
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