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黄斑円孔(おうはんえんこう)とは

1. 黄斑円孔とはどんな病気
 黄斑円孔とは眼の網膜の中心部(黄斑部)の網膜に穴があいてしまう病気のことです。私たちがものを見るときには、黄斑部で対象物を見ていますので、その大切な部分に穴があいてしまうとすごく見づらくなります。

 60歳代から70歳代の女性に多く、両眼性のこともあります。
黄斑円孔の写真
【黄斑円孔】
2. 黄斑円孔の症状
 黄斑円孔の初期には、ものがゆがんで見える変視症を自覚することがあります。さらに症状が進むと、見たいところがちょうどみえない中心暗点となり、視力は0.1から0.3程度に低下します。
3. 黄斑円孔の原因
 黄斑円孔の原因は、眼のなかの硝子体(しょうしたい)の加齢に伴う変化が原因と考えられています。

 通常、硝子体は黄斑部の網膜としっかりくっついています。加齢に伴い硝子体が収縮するときに黄斑部の網膜が引っ張られます。その際、大多数のかたでは網膜と硝子体が剥がれます。しかし、網膜と硝子体が強く癒着していると網膜のほうが破れて穴が開いてしまうと考えられています。
4. 黄斑円孔の治療
 黄斑円孔の治療は手術です。以前は治療方法がありませんでしたが、10年ほど前から手術で治るようになってきました。大変繊細な手術ですので、大学病院や設備の整った施設で実施されています。硝子体手術といって、眼の中の硝子体を取り除いて、網膜と硝子体のくっついていた部分をきれいにし、眼の中にガスを入れる手術です。手術の後1〜2週間うつ伏せが必要になります。

 ただ、100%治るというわけではなく、早く手術をするほど円孔が閉鎖する可能性は高く、視力の回復も良好です。
5. ものがゆがんで見えるようになったら
 ものがゆがんで見える疾患は黄斑円孔だけではなく、黄斑前膜や黄斑変性などの疾患の可能性もあります。ゆがみに気づいたらなるべく早く眼科専門医を受診しましょう。

 また、普段の生活では両眼で見ていますから、片眼の見え方が変でもなかなか気づかないこともあります。時々、一方の眼を隠して他方の眼の見え方が異常ないかどうか確認してみると、黄斑円孔に限らず、眼の疾患の早期発見につながります。
2010年9月1日掲載 
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