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子どもの近視に関連する要因について〜論文紹介

 今回は、British Journal of Ophthalmologyという英国の学術雑誌に掲載されました、こどもの近視に関連する要因についての3つの論文を紹介いたします。
1. A comparison of measures of reading and intelliegnce as risk factors for the development of myopia in a UK cohort of children. Williams C, et al. Brit J Ophthalmol 2008;92:1117-1121

 この論文では、イギリスで6871人の小児を7歳から10歳まで追跡調査しています。
その結果、7歳の時点では国語や算数などのテスト結果が近視との関連が示されました。しかし、7歳から10歳までに発生した近視と関連があるのは、両親から見てその子が読書好きかどうかという事柄でした。この結果は、両親の近視や人種などを考慮に入れても有意なものでした。 本が積み重なっている写真

2. Outdoor activity and myopia in Singapore teenage children. Dirani M, et al. Brit J Ophthalmol 2009;93:997-1000

 この論文は、シンガポールでアウトドア活動と近視の発生の関連を調べたものです。
対象は1249人の10歳代の小児となっています。その結果、アウトドア活動時間は平均3.24時間/日であり、年齢、性別、人種、読書の頻度、身長、親の近視、親の学歴を調整してもアウトドア活動時間が長いほど、近視は少ないことが示されました。しかし、インドアスポーツと近視の抑制は関連がなかったと報告されています。 側転をする女の子

3. Family history, near work, outdoor activity, and myopia in Singapore Chinese preschool children. Wilson Low, et al. Br J Ophthalmol 2010;94:1012-1016

 この論文では、シンガポールで0〜6歳の3009人を対象に、近視の危険因子を調査しています。その結果、両親がともに近視の場合にそのこどもが近視になる危険率は両親がともに近視でないこどもに比べて1.9倍であることが示されました。一方、近見作業やアウトドア活動は近視との関連がなかったと報告されています。 幼い男の子

 以上、3つの論文を見てみますと、6歳までの近視はそのほとんどが遺伝的な要因で発生しますが、それ以降の学童期には遺伝要因だけではなく、読書などの生活環境の影響が出てくることが読み取れます。とりわけ、アウトドア活動をすることが近視の発生や進行予防につながることはとても興味深いことと思います。お子さんには積極的に外に出て遊ぶように促すことが近視の発生・進行に対して予防となるのではないでしょうか。
2011年7月1日掲載 
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