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20分近くを見たら20秒遠くを見ましょう〜「20-20-20のルール」とは〜

 アメリカ眼科学会では、こどもの目の健康を守るため、20分間継続して近くを見たあとは、20フィート、つまり、およそ6メートル以上離れたものを、20秒間眺めるという「20ー20ー20」ルールを推奨しています。(#1)
 今回のコロナウィルス感染症流行に伴い、デジタル教科書の普及などICTを活用した教育(GIGAスクール構想)が、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に加速化し、小中学生の1人1台のPCもしくはタブレット端末の配置が現実化しつつあります。また高校生・大学生ではオンライン授業が一般的になりました。
 ただ、以前から、デジタル端末による眼の健康に与える影響が懸念されており、眼精疲労、ドライアイ、近視の進行に関与しているのではないかと考えられてきました。実際、緊急事態宣言に伴う休校が明けた2020年6月以降、来院されるお子さんたちの近視が急に進行した印象があります。また、海外での研究ではコロナ禍における外出制限下でのこどもの近視の進行が報告されています。(#2-4) 
 そのような中、厚生労働省からは児童、生徒および保護者向けにデジタル端末利用に当たっての健康への配慮等に関する啓発リーフレットが出されました(#5)。それによると
タブレットを見るときは、目を30cm以上離しましょう。
30分に1回はタブレットの画面から目を離して、20秒以上遠くを見ましょう。
ぐっすり寝るために、寝る1時間前からはデジタル機器の利用は控えましょう。
時間を決めて遠くを見たり、目が乾かないようにまばたきをしたりして、自分の目を大切にしましょう。
学校や家庭のルールを守って使いましょう。

 と記載されています。
 日本眼科医会でも、GIGAスクール構想にあわせて、1人1台端末を利用するこどもたちのために、目の健康啓発マンガ「ギガっこデジたん!」のポスターとリーフレットを企画制作し、Webサイトで公開しています。(#6)

#1:「子供とスクリーンのための目の快適さと安全のヒント」
https://www.aao.org/eye-health/tips-prevention/screen-use-kids
#2: Cristina Alvarez-Peregrina et al.Impact of COVID-19 Home Confinement in Children's Refractive Errors. Int J Environ Res Public Health.2021;18:5347.
#3: Jiaxing Wang et al.Progression of Myopia in School-Aged Children After COVID-19 Home Confinement. JAMA Ophthalmol.2021;139:293-300
#4: Chee WaiWonga et al.Digital Screen Time During the COVID-19 Pandemic:Risk for a Further Myopia Boom? Am J Ophthalmol.2021;223:333-337
#5: 端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレットについて
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00001.html
#6:【目の健康啓発マンガ ギガっこデジたん!】
https://www.gankaikai.or.jp/info/post_132.html
2021年7月1日掲載 
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