昨年秋に実施しました幼稚園・保育園眼科検診の結果について簡単にご紹介いたします。名古屋市港区の富士文化幼稚園さんとドレミ保育園さんにお邪魔して、年少児と年中児を対象に、問診および視力検査、眼科検診を実施しました。
問診票でチェックがついた場合、視力検査で左右どちらかでも視力が0.7未満だった場合、眼科検診で異常が疑われた場合に保護者の方へ「眼科受診のお勧め」をお渡ししました。
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1)検診の結果について |
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・ 2園合計で対象者135名中、受診勧告を出した園児は57名、欠席者7名でした。
・ 欠席者も含めた受診勧告率は47%でした。
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2)視力検査の結果について |
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・ 視力検査の結果、年少の60%、年中の66%で視力1.0以上でした。
・ 受診勧告の対象となる視力0.7未満の割合は、年少で18%、年中で13%でした。
・ 視力測定ができなかったのは、年少年中それぞれ1名のみでした。
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3)眼科検診の結果について |
・ 眼科検診を実施した129名中、112名(87%)は異常ありませんでした。
・ 異常が疑われたのは17名でした。
・ その内訳は、遠視5名、斜視3名、内反症(さかまつげ)7名、その他2名でした。
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4)問診票の結果について |
問診票(複数回答可)で一番多かったのは、「テレビに近づいて見る」27名(20%)で、次いで「まぶしがる」8名(6%)、「目を細めて見る」4名(3%)でした。 |
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5)眼科受診結果について |
・ 受診勧告を出した64名中、眼科医療機関からご回答をいただけたのは30名(47%)でした。
・ その結果、「治療の必要なし」15名、「経過観察」5名、「要治療」10名でした。
・ 「要治療」10名の内訳は、弱視5名、内反症1名、近視1名、調節緊張1名、不明2名で
した。
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6)まとめ |
・ 年少、年中児を対象に幼稚園検診を実施し、そのほとんどで視力検査、眼科検診が可能
でした。
・ 約2/3の園児が視力1.0以上でした。
・ 視力0.7未満の割合は、年少で18%、年中で13%でした。
・ 135名中65名(48%)に受診勧告が出され、そのうち30名が眼科を受診し、10名が
要治療でした。
・ 弱視は5名でした。
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以上が検診の概要となります。今回の結果5名の園児が弱視と診断され治療につながったことはとても意義のあったことと思われます。これまでも繰り返し書かせていただきましたが、弱視は早期治療により改善する可能性の高い疾患です。逆に治療時期を逃してしまうと一生視力が出ないことになります。
今回は両園とも先生方の多大なご協力をいただき、とても順調に検診を行うことができました。改めて御礼申し上げます。
3歳の年少児でもほとんどのお子さんで視力検査が可能です。3歳児検診で視力がうまく測定できないお子さんがおみえになれば、ためらうことなくすぐ眼科を受診されることをおすすめいたします。
弱視のお子さんが少しでも少なくなるように願っています。 |
2015年3月1日掲載 |
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