1. 網膜静脈閉塞とは |
網膜静脈閉塞とは、網膜という光を感じる組織の中にある血管のうち静脈が詰まってしまって、血液の流れが止まり、網膜に出血が生じる病気のことです。網膜静脈の根元が詰まってしまった場合を網膜中心静脈閉塞、それよりも末梢の静脈が詰まってしまった場合を網膜静脈分枝閉塞と呼びます。
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【網膜静脈分枝閉塞】 |
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2. 症状 |
網膜静脈分枝閉塞で網膜の中心(黄斑部といいます)に出血が及んでいなければ、症状はほとんどありません。
網膜静脈分枝閉塞でも黄斑部まで出血が及ぶ場合や、網膜中心静脈閉塞の場合には、急に視力が低下して見づらくなります。 |
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3. 原因 |
高血圧や動脈硬化が原因となります。 |
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4. 治療 |
網膜静脈分枝閉塞の場合、しばらくすると出血が吸収されることが多いので、網膜循環改善薬などの内服薬で経過を見ることが多くなります。
網膜静脈分枝閉塞でも黄斑部に浮腫が生じてしまった場合や、網膜中心静脈閉塞の場合には、レーザー網膜光凝固術を施行したり、ステロイドや抗血管内皮増殖因子薬を眼のなかに注射したりすることもあります。それでも黄斑部の浮腫が軽減しない場合には、硝子体手術という眼の中の手術を行うこともあります。 |
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網膜静脈閉塞は高齢者に多い疾患です。50歳以上で高血圧や動脈硬化があるかたは年に一度程度、眼科で眼底検査を受けたり、健康診断で眼底写真を撮ったりすると良いでしょう。 |
2010年8月1日掲載 |
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