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緑内障のかたは運転にご注意を!

 先日新潟大学らの研究チームから、ドライビングシミュレーターを用いた緑内障のかたの運転データを解析し、比較的重症の患者を含む64%に運転時の自覚症状がなく、「運転には問題がない」と思い込んでいるケースが多いことが報告されました。緑内障の病期別では初期、中期、後期と、病期が進行するにしたがい、運転時の自覚症状は23%、37%、42%と増えていました。しかし、視野障害がかなり進行している後期緑内障であっても、約6割が自覚症状のないまま運転を続けていることが明らかになりました(#1)
 ヒトの目は中心10度以内は細かいものがしっかり判別できるようにできていますが、それ以外の場所では視力0.1以下の視力しかありません。そのため周辺部の視野が多少暗くなっても自覚できないことがほとんどです。外来で緑内障のかたのお話を伺っていても、自覚症状があるのは視野障害が中心20度以内にまで進行したかたばかりです。通常の視野は左右で160度以上、上下120度以上ありますので、一見気付きそうなものですが、見たいところは視線を動かして中心で見るため、視野が狭いことになかなか気付けません。
 日常生活ではそれでも不自由なく過ごせますが、運転時に視野が20度しかない場合を想像してみてください。運転時に視線を前方に向けている場合はサイドのドアミラーに後続車が映っていても気付けないし、極端なケースでは横断歩道を渡っている歩行者にも気付けないかもしれません。
 現行の制度では視力が良ければ視野がどれほど狭くても運転免許の取得・更新は可能で、私たち眼科医からも注意を促すことはできても制限をすることはできません。そもそも緑内障のかたのうちご自身が緑内障と知っているのは1割程度のかたです。約9割のかたは自分が緑内障であることすら知りません(#2)。40歳以上のかたは少なくとも一度は眼科での検診を受けていただくことをお勧めいたします。同時にご高齢のかたはドライビングシミュレータを活用した眼科運転外来を受診されることもよい方法だと思います。名古屋では令和7年4月から名古屋市立大学医学部附属東部医療センターで眼科運転外来が開設される予定です(#3)
#1 新潟大学ホームページ:緑内障患者の64%が「運転に問題なし」と回答−自動車運転時の自覚症状と視野障害の関連を大規模に調査−
   https://www.niigata-u.ac.jp/news/2025/771882/

#2 日本緑内障学会ホームページ:「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査(通称:多治見スタディ)」報告
   https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php

#3 名古屋市立大学ホームページ:東海地方初、国内4か所目となる「運転外来」を4月より開設
   https://www.nagoya-cu.ac.jp/press-news/202502031000/
2025年3月1日掲載   
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