先日20代の女性のかたが、1カ月前にまぶたが大きく腫れた後、しこりが残って治らないと受診されました。診察すると左上まぶたに小豆ほどの大きさの腫瘤がありました。発赤も痛みもありませんでした。霰粒腫といって、マイボーム腺の無菌性の肉芽性炎症と思われました。マイボーム腺はまぶたにあって普段は涙に不可欠な脂分を分泌しています。 |
霰粒腫は徐々に吸収されて良くなることもありますが、時間がかかるため今回は本人のご希望もあり切除しました。切除の方法には皮膚側から切開する方法と、まぶたの裏の結膜側から切開する方法があります。今回はまぶたの縁に近く結膜側からは切開しづらい場所でしたので、皮膚を7-8mm切開して切除しました。 |
お子さんの場合は、局所麻酔での実施は難しく全身麻酔での切除が必要になります。通常は点眼や眼軟膏で徐々に良くなる場合が多く経過観察となります。ただし、大きいと瘢痕が残る場合がありますので、専門医の先生に紹介させていただきます。ご高齢のかたでは脂腺癌の場合があり、病理検査が必要となります。 |
よく"めんぼ"(ものもらい)と混同されますが、めんぼはまぶたの化膿性炎症で痛みがあります。痛みがなくコリコリのしこりの場合は霰粒腫のことが多いので、気になる場合は眼科でご相談ください。 |
2022年1月1日掲載 |
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