トップページへ
受付時間・診察内容
アクセス方法
受診されるかたへ
問診票ダウンロード
目に関するあれこれ
障害者手帳について
個人情報保護について
当院の理念
院長紹介
TKコンタクトのサイトへ
大きな文字でご覧になるにはこちらをクリックして下さい
目にいい食べ物〜その他〜

 前回に引き続いて、「目にいい食べ物」をご紹介させていただきます。
亜鉛
 米国大規模多施設研究AREDS1・2の結果から、「抗酸化ビタミンと亜鉛」の組み合わせが進行性加齢性黄斑変性症の悪化を抑制することが示されています。
 亜鉛は、300種類以上の酵素の構成成分として重要なミネラルです。DNAの複製やタンパク質の合成に関わっており、また人体内で発生した有害な活性酸素を不活化するスーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase:SOD)にも関与しています。
 亜鉛が不足すると皮膚炎や味覚障害が起きやすく、小児では成長障害がみられます。またビタミンAの活性化にも関与するため、亜鉛が欠乏すると夜盲症が生じます。一方、亜鉛を過剰摂取した場合は前立腺癌の頻度が上がり、貧血が生じると報告されています。
 亜鉛を多く含む食べ物は、牡蠣、あわび、牛肉、ココア、抹茶などがあります。
EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA (ドコサヘキサエン酸) 
 EPA・DHAはオメガ-3多価不飽和脂肪酸の一種で、主に青魚の脂に多く含まれています。これらは体内でほとんど作ることのできない必須脂肪酸なので食べ物から摂取する必要があります。これまでの研究により、EPAは心筋梗塞や脳梗塞、動脈硬化などの予防や改善に役立つことが明らかになっています。眼科的にも網膜静脈閉塞症など動脈硬化が関与する疾患の予防が期待できます。また、食事から摂取されるオメガ-3多価不飽和脂肪酸が多いほど、ドライアイを発症しにくくなることが疫学研究によって示されています(Miljanović B et al. Am J Clin Nutr 82:887-93.2005)。
 しかし、AREDS2では、EPA・DHAに白内障や加齢性黄斑変性症を抑制する有意な効果は認められませんでした。今後の更なる研究が待たれます。
 EPA・DHAを多く含む食べ物は、いわし・さば・あじなどの青魚です。
ポリフェノール
 ポリフェノールはほとんどの植物に含有され、光合成によってできる植物の色素や苦味の成分であり、その種類は4000種以上とされています。ポリフェノールは、1990年代に「フランス人の心臓病の死亡率が低いのは赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールのおかげ」という説が出されて以降、大変注目されています。日本でも赤ワインブームやココアブームがあり、近年ではポリフェノールを多く含むチョコレートが機能性表示食品として販売されています。
 ポリフェノールは種類によって効果が異なっていますが、どの種類にも共通してみられるのはその抗酸化作用により体内の活性酸素の働きを抑えることです。活性酸素を抑えることにより、動脈硬化を防ぎ、老化予防につながるとされています。
 眼科的にはブルーベリーに多く含まれているアントシアニンが知られています。アントシアニンは視細胞におけるロドプシンの再合成を促進させる働きがあると考えられています。
 アントシアニンのほかにも、大豆に多いイソフラボン、緑茶に多いカテキン、赤ワインに多いレスベラトロールなどのポリフェノールにも関心が高まっています。
チョコレートとブルーベリー、ワインのイメージ
 2回にわたってお伝えしてきました「目にいい食べ物」のご紹介いかがでしたでしょうか。このようにまとめてみると、どの食べ物も活性酸素を抑えて動脈硬化を防ぐ働きがあることがわかります。改めて活性酸素が老化や疾病の原因として重要だと認識させられました。今回取り上げた食べ物以外にも、カロテノイドに分類されトマトに多いリコピンやサケ・カニに多いアスタキサンチン、ポリフェノールに分類されウコンに多いクルクミンなどにも抗酸化作用があることが知られています。また、最近では乳酸菌が花粉症やドライアイにも効果があると言われています。

 ただ、食事にはバランスが重要ですので、一日3食をきちんと摂るのが基本になると思います。その上で抗酸化作用を持つ食品を多めに摂取したり、場合によってはサプリメントで補充するのが良いのではないでしょうか。
2017年2月1日掲載 
【関連コンテンツ】
目にいい食べ物 〜 坑酸化ビタミンについて 〜
上に戻る