従来の屈折計で中を覗き込んで測定すると、自然に目が緊張して調節が起こってしまい、特におこさんでは近視が本来よりも強く検出されやすくなります(機械近視)。たとえば本当は近視がほとんどないにもかかわらす、屈折計で測定すると強度近視が検出されることをしばしば経験します。また、従来の屈折計での測定は片目ずつでしたので、左右眼で緊張状態が異なり、左右の屈折値の差を検出してもそれが本当に正しいかの判定が困難でした。
ビジョンスクリーナーは、検査距離が1mのため機械近視が生じにくく、また両眼同時測定のため左右の緊張状態がほぼ同じで、屈折値の左右差の有無を判定しやすくなります。また、眼鏡を掛けた状態でも測定できますので、眼鏡度数の過不足を把握することも可能です。測定時間も数秒ですので、小さなおこさんや検査が苦手な方でも、ストレスなく検査を受けていただけると思います。 |
使用し始めてまだ1ヶ月程度ですが若干の問題点も感じています。瞳孔が小さいと測定できないため、明るい部屋では測定できないことがしばしばあります。また、測定した屈折値の正確性は今後の検証が必要であると思います。
ただ、弱視の治療には、目の異常を幼少期に発見して対応していくことが何より重要です。今後はビジョンスクリーナーを用いて積極的に検査をしていきたいと思います。
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2016年2月1日掲載
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