白内障手術をして最初の頃は良く見えていたけれど、しばらく経過したらまたかすんできたという話を良く聞きます。多くの場合、これは後発白内障(こうはつはくないしょう)といわれる状態になっていると考えられます。 |
後発白内障とは、もともとご自身の水晶体嚢が濁ってしまう状態のことで、眼内レンズが濁ってきた訳ではありません。白内障手術では、濁った水晶体の中身だけ砕いて吸い出してきます。もともと水晶体が包まれていた袋(水晶体嚢)は前方の一部分を切除するのみで、4分の3程度は残し、その嚢の中に眼内レンズを固定します。
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白内障手術を受けられた患者さんのうち、2〜3割のかたが後発白内障になるといわれています。後発白内障は手術の際にわずかに残った水晶体細胞が増殖して濁りを引き起こすことによって生じます。 |
後発白内障も初期のうちはほとんど症状もないため治療の必要はありませんが、進行してくると視力に影響が出てきて見づらくなります。この場合には、ヤグレーザーという特殊なレーザー装置を使って、濁っている水晶体嚢の中心部分を吹き飛ばします。 |
ヤグレーザーは痛みもなく、外来で数分で完了します。ただ、術後炎症が生じたり、吹き飛ばされた濁りが目の中に漂うため、視野に黒い点々が見える飛蚊症(ひぶんしょう)が生じたりする場合もありますが、徐々に落ち着いてくることがほとんどです。 |
そのほかの目の疾患がなければ、ヤグレーザーにより大半のかたは視力が回復します。もし白内障手術の後、徐々に見づらくなっているようでしたら、早めに眼科に受診されると良いと思います。 |
2013年9月1日掲載 |
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