それはチックという症状かもしれません。チックとは、無意識に体の一部を繰り返し動かしたり言葉を発したりする病態で、幼児から小学生くらいでよくみられます。チックのあるお子さんは結構多くて、症状の軽いものを含めると100人中5〜10人ほどいるといわれています。 |
はじめは目をぎゅっと閉じるような強いまばたきをパチパチと繰り返したり、頭をクックッと振ったりという症状で発症すること多いようです。声のチックとしては咳払いを繰り返したり、突然、アッアッと声を出すことがあります。症状の多くは1年以内にみられなくなることが多く、軽い場合には1〜2ヶ月で症状がなくなることもあります。 |
まれに、まばたきや頭を振るだけではなく、手や足が動いてしまったり、全身を突っ張ったり、声が出たりと、チックの症状が全身に広がることがあり、トゥレット症候群と呼ばれています。トゥレット症候群の場合は症状が中学生や成人になっても残ったりしますが、徐々に目立たなくなっていきます。 |
チックの原因ははっきり特定されていませんが、脳神経系の軽い障害で、なんらかのストレスなどをきっかけに発症すると考えられています。トゥレット症候群では、その家族や兄弟にもチック症状がみられやすく、遺伝の要因もあるといわれています。 |
以前はチックがこころの病気だと考えられていましたが、脳の器質的な障害で、本人は無意識に動いてしまうので、「じっとしていなさい。」とか「だまって静かにしていなさい。」というのは、よけいに本人にストレスを与えることになり、むしろ逆効果です。 |
症状が軽い場合はストレスを取り除けば症状が消えることもあります。症状が強くなったり、複数の症状が出るようなら、投薬治療という選択肢もありますので小児科の先生に見ていただいてください。 |
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2009年9月1日掲載
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