|
|
|
|
瞳孔が下のほうに偏位している場合は、虹彩コロボーマかもしれません。虹彩コロボーマはぶどう膜欠損(コロボーマ)の部分症状です。ぶどう膜とは眼球に血液を運ぶ血管が豊富な組織で、網膜の裏にある脈絡膜、毛様体、虹彩から成っています。胎児のときにぶどう膜の成長がうまくいかないと欠損(コロボーマ)となります。それぞれ脈絡膜コロボーマ、毛様体コロボーマ、虹彩コロボーマと呼ばれ、単独で生じる場合も重複して生じる場合もあります。 |
虹彩コロボーマでは虹彩が下方に偏位しており(図1)、場合によっては虹彩の付け根(毛様体)まで欠損している場合があります。そのため瞳孔がうまく収縮できず、光をまぶしかったり、近視や乱視が強く弱視になる場合もあります。また将来的には緑内障や白内障になる危険性が通常よりも高くなります。 |
|
|
|
|
【図1】虹彩が下方に偏位している(虹彩コロボーマ)
|
|
|
|
|
脈絡膜コロボーマを合併していると、眼底検査では白い強膜の色が透けて見えます(図2)。その部分は網膜も異常となり、上方の視野が欠損します。また、脈絡膜コロボーマでは網膜剥離を生じやすいので、定期的な検診が必要となります。 |
|
|
|
|
【図2】脈絡膜コロボーマ(下方の白色部分)の眼底写真
|
|
|
|
|
|
|
|
|